November 21, 2005

新日買収に伴う幻想と幻滅。

業界最大手の新日本プロレスがゲームソフト製作会社ユークスに買収された。各メディアでは新日に対してある企業による敵対的買収が懸念され、かねてよりの提携先であるユークスに救済を求めたと報じられた。新日プロは非上場会社であるがある筋が新日プロの安定株主から株を取得しようとしていたという。ユークス側によると、「興行は引き続き任せるが、経理面は透明性を打ち出したい」とのこと。今回の提携は新日プロのたっての希望であり、ユークス側も大分プロレス村に対して遠慮していることだろう。

しかしいつまでもドンブリ勘定では通用しない。ユークス側も黙ってはいないハズだ。やがて運営面のハードと興行内容であるソフトとの両面で新日プロに対して多かれ少なかれ注文が出るだろう。前社長がひとりで成し遂げようとして既得権益者達に潰されてしまった改革が、果たして今回の買収で変われるのか。今まで通りであればそれこそ潰れてしまった方が良い。

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November 15, 2005

゛ラティーノ・ヒート″は風の如く去りぬ。

米WWEのスーパースター、エディ・ゲレロが38歳の若さで急死した。死因は不明。朝ホテルでハブラシをくわえたまま倒れているのを発見された。

エディ・ゲレロといえばメキシコの名門ゲレロ家の4男として、天才の名を欲しいままに日米で活躍した。とりわけアメリカでのプロレスは、エンターテイメントを存分に魅せてくれた。アメリカンプロレスといえば身なりはでかくても全く動けないのが相場だったが、エンタメでありながらレスリングも魅せることに関しては、盟友クリス・ベノワでもかなわなかった。

小狡さを持ちながらベビーもヒールもこなせるレスラーはそうはいない。なにせトラブルメーカーを嫌うWWEが、アルコール中毒の為彼を解雇した後、再契約を要請したぐらいだ。

特筆すべきはメキシカンでジュニアヘビー級の体躯でありながら、WWEヘビー級チャンピオンになったことだ(日本でいうならば、ライガーがIWGPを獲るようなものだ)。もちろんエンタメである以上会社の売出しもあっただろうが、時代を感じさせる出来事だった。

個人的にはラディカルズから一歩抜き出て、怪女チャイナとの一連のストーリーが秀逸だ。これで軍団の一員としてだけでなく、一躍スーパースターとなったのだ。素顔で後楽園ホールに出場した時は見たかった!

御冥福を祈ります。

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November 03, 2005

草間新日本プロレス前社長の本を立ち読みして思うこと。

草間氏といえばアントニオ猪木のツルの一声によって鳴り物入りで新日本プロレス社長に就任、たった一年で黒字回復をやってのけてみせた。会社のあらゆる部署にメスを入れ、いよいよ2年目としてV字回復をしようとした矢先に、猪木によるまさかの解任宣告。その経緯をあますところなく書き記す。プロレスといえばいわずと知れたドンブリ勘定。マッチメイクや給料も完全なる年功序列であり、若者が芽を出すには10年も20年もかかる。

折角売り出されても次にはもう他の人間にとって替わられる。チャンピオンベルトなぞ、大臣のポスト同様持ち回り制と言っても良いだろう。これは決して大袈裟ではない。三沢に対する川田、橋本に対する永田。一連の連続防衛記録を見れば明瞭だ。他団体に移籍した前者の記録を塗り替える為に施したと捉えてもおかしくはない。市場リサーチをした結果、地方プロモーター、ファン共に若手の売り出しが最も切望されているのにも関わらず、今だにベテラン勢がトップであぐらをかいている。

そして話題に困れば外敵と呼ばれる外部の選手を駆り出す。自前の選手はたとえ試合にあぶれたとしても、年俸で生活を保障されてしまう。何より大所帯の為人件費が莫大だ。事業好きなオーナーである猪木による金の無心も経営を圧迫する。背広組と呼ばれる職員もまた旧態依然としており、既得権益を守るのに躍起となっている。最後には彼らの非難中傷を信じた猪木にうとましく思われ、辞任に追い込まれてしまう。更に草間氏が行った改革を全て元に戻してしまう。何故過去赤字に陥った態勢に戻すのか。

本を読んだ感想は、プロレスも政治家も同じではなかろうか。旧態依然としており、既得権益に執着する。これではファン(国民)のニーズを捉え切れず、心が離れていくのは目に見えている。実際毎回トンチンカンなカードやアングルを乱発し、観客動員は激減する一方だ。

プロレスこそ今をときめくIT企業に統合されるべきだろう。昔メガネスーパーが参入した時とは時代が違う。あの頃はまだプロレスにも元気があったし、やり方もプロレス全体の神経を逆撫でしたものだった。

外部の人間が関わると必ず内部の人間は「プロレスの何がわかる。」と言うが、その愛すべきプロレスを駄目にしたのは誰か。

時代は確実に変わってきているのだ。

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August 10, 2005

つぶしのきかない仕事だから。

女子プロレスラー長与千種率いるガイアジャパン(解散)。

将来を考え、自らを含め所属選手は皆介護ヘルパーの資格を持つ。

選手は体育会系ということもあって礼儀正しく、身体介護も頼もしいと評判らしい。

プロレスラーほどその後の人生において、つぶしがきかない職業もないだろう。

たいていのレスラーが食っていけず、何度となく復帰している(それでも生活が安定することはないだろうが)。

なかには飲食店や風俗店などを経営している者もいるが、顧客のほとんどが知名度によるものだろう。

多くが結婚を機に引退するが、皆がそうではない。

ましてやタレントに転身できる者など、ほとんどいない。

女子レスラーの第2の人生に備えてのせめてもの親心といえる。

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July 15, 2005

さらば破壊王。

“破壊王”の異名を持つプロレスラー橋本真也。

その早すぎる死に、プロレスファンだけでなく多くの一般市民が驚いた。

直接的な死因は脳の幹血管よりの出血だった。

以前から頭痛の為入院したというが、未然に防ぐことはできなかったのだろうか。

母親もまた心筋梗塞で早く亡くしていた橋本。

ことあるごとに敬愛する織田信長の「人生五十年」を口にしていたと言うが、四十にしてこの世を去ってしまった。

新日本プロレスに入団、蝶野正洋・武藤敬司と共に闘魂三銃士を結成。

IWGPヘビー級のベルトを前人未到の9連続防衛(当時)、通算20回防衛を果たす。

独立後は一国一城を築くも負債やケガ、しがらみに悩まされ続けた。

ある医師はストレスが原因ではないかと語る。

肥満もそのうちのひとつだろう。

140㎏の体躯の上、毎晩の様に酒を浴び、肉を食らい続けてきた。

プロレスラーのイメージそのままに生きてきたといえる。


橋本の名勝負といえばまずトニー・ホームとの異種格闘技路線やベイダーといった外国人選手、三銃士対決はもちろん長州や天龍などのベテラン勢が挙げられるが、やはり転機を迎えたのは小川との一連の死闘だろう。

引退まで掛けたあげく破れ、潔く引退はしたものの、多くのファンの嘆願により復帰を果たす。

解雇騒動を呼ぶ独立、ライバル小川との共闘。

負債・解散・離婚。


橋本程のレスラーでもってしも、いや橋本だからこそ成し得た事は数多くある。

誰からも愛されたその憎めない人柄が多くの人々の思い出として残るだろう。

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July 05, 2005

プロレス業界におけるネーミングセンス。

 プロレスや格闘技において、イベントには大会名が付けられてきた。

 第2次UWFの様に興行毎にタイトルが付く団体があれば、パンクラスの様にツアー(1年)毎に付けられる団体もある。とりわけ通常のプロレス団体では、シリーズ(1週間〜1ケ月)毎に冠されている。

 この大会名から、ファンは様々な期待や夢を見出だす。

 「G1クライマックス」や「世界最強決定タッグリーグ戦」の様に、季節の風物詩として定着しているほどだ。

 かつて全日本プロレスでは「ジャイアントシリーズ」というジャイアント馬場そのものをシリーズ名にした。だが武藤敬司社長に代替りすると、イメージ刷新の為廃止した。それほどまでに強烈な印象だったのだ。

 しかし一方で全くセンスのかけらもなく、コロコロと大会名を替える団体もいる。

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May 16, 2005

ミスター高橋の功罪。

 新日本プロレス5・14東京ドーム。

 顧客(ファン)のニーズを見事にハズしたといっていいカードが並ぶこの興行は、3万5千人と新日本ドーム史上最低観客動員数を記録する。

 メインカードは紆余曲折を経て小島vs天山のIWGP戦(ダブルタイトルではなく)。試合はわりと早いタイムで天山の勝利。結果ははっきりいって読めていた。前回の敗戦で引退まで考えた(もちろんアングル)末の再戦。ここで負けるワケにはいかないだろう。

 顧客心理を理解しようとは到底思えないプロレス界に熱が冷めたのは今にはじまったワケではないが、決定的となったのはやはり元新日本プロレスレフェリー、ミスター高橋のプロレス界の暴露本だ。

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May 06, 2005

新日よ、PRIDEやK-1を意識する前に、もっとプロレスを大事にしてくれ。

 現在プロレス界において、30数年の歴史を誇る新日本プロレス
絶対的君主アントニオ猪木をはじめ、数多くのスターレスラーを輩出してきた。名実ともに盟主である新日が、今途方もない迷路に迷い込んでいる。

 新日本プロレスといえば、良くも悪くもカリスマ猪木の存在が不可欠だ。幾多の名勝負、異種格闘技などで一時代を築いてきた。その後も様々なレスラーにより隆盛を保ってきたが、いよいよもってその盟主の座を明け渡す時が来たのかも知れない。それも自らを作り出した猪木の手を借りるまでもなく。

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